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こんにちは!今回は、日本の上場企業「メタプラネット」が進めている「ビットコインを大量に保有する戦略」について、暗号資産投資家が、やさしく丁寧に解説します。
最近ネットやSNSでも話題になっている「555ミリオン計画」──なんだかカッコいい名前ですよね。でも、それって本当にすごいこと?安心して投資できる会社なの?そんな疑問に答える形で、背景から注意点まで、例え話も交えながらわかりやすくご紹介します。
メタプラネットが掲げている「555ミリオン計画」とは、ざっくり言えば「ビットコインをたくさん買って企業価値を高めよう」という超積極的な戦略のこと。
この“555”という数字は、将来的に保有するビットコインの価値が555ミリオンドル(=約850億円)に達することを目標としている、という意味合いも込められているようです。※諸説あり
たとえば、あなたが「ポケモンカードを1,000枚集めて、それを将来高く売ろう!」と考えているとします。メタプラネットは、これをビットコインでやろうとしているわけです。
参照元:METAPLANETホームページ内開示情報 ビットコインの追加購入に関するお知らせ
2025年4月時点で、メタプラネットはなんと4,525BTCを保有しています。ビットコインは1枚あたり約1,500万円以上(2025年現在)もするので、すでに680億円近い資産価値があるということ。
さらに驚くべきは、2025年中に10,000BTC、そして2026年には21,000BTCを目指すという目標。これはアジア企業でもトップクラス、世界でも10本の指に入るビットコイン保有企業になろうとしている計画です。
つまり、この会社は「もう現金よりビットコインの方が大事」と言わんばかりに、お金をビットコインにどんどん換えているのです。
理由ははっきりしています。「インフレに負けないため」です。
私たちが使っている日本円やドルは、政府が発行量を増やすことで価値が下がることがあります。たとえば、昔100円で買えたパンが、今は150円になっていたりしますよね?それがインフレ(物価上昇)です。
でもビットコインは上限が「2,100万枚」と決まっていて、それ以上は絶対に増えません。つまり「希少価値」があるのです。
メタプラネットはこの点に目をつけ、「ビットコインをたくさん持っていれば、将来の企業価値が守れる」と考えたわけです。
会社がどれだけビットコインを持っているか、そしてそれを本当に持っているのか。これは投資家にとって超重要なポイントです。
いくら「報告してます」と言っても、実はリアルタイムではわからないんです。たとえば、学校で「ノート提出しました」と言っても、それはその日の話。次の日にさぼっても先生は気づかない、みたいな感じです。
さらに、メタプラネットは「ビットコインのウォレットアドレス」を公開していません。これは“財布の中身を見せてない”状態。
たとえば、友達が「今月おこづかい3万円あるよ」と言っても財布の中を見せてくれないと、ちょっと疑っちゃいますよね?
ビットコインはブロックチェーンという“誰でも見れるお金の記録帳”に保存されています。ウォレットアドレスさえあれば、「あ、本当にあるな」と確認できます。でもそれがないなら、「ほんとに持ってるのかな?」と疑うのは当然です。
「会計監査が入ってるなら安心でしょ?」と思う人も多いかもしれません。でも、暗号資産の世界では、そう単純にはいかないんです。
まず大事なこととして、会計監査は「この会社の情報は、たぶん正しいと思われます」という“合理的な保証”を出しているだけで、「100%ウソがない」「完全に安心!」と太鼓判を押しているわけではありません。
また、監査報告書で確認されるのは“ある特定の日の状況”だけです。つまり、「この日にはちゃんとビットコインがあったよ」というだけで、次の日にこっそり売っていても、それは分からないのです。
ビットコインなどの暗号資産には、普通のお金と違って特別な難しさがあります。だから、会計士の人たちも簡単にはチェックできません。
たとえば:
日本公認会計士協会では、こうした問題を解決するために、暗号資産に特化した監査のルールをつくって頑張っています。でも、それでも「監査済=安全!」と思い込むのは危険です。
結論:監査がある=安心ではない
会計監査は「この会社、たぶん大丈夫そうですね」と言ってくれる役割。でも、それは「一応確認したけど、未来のことまでは分かりませんよ」という前提で成り立っているんです。
だから、「監査があるから安心」と丸ごと信じるのではなく、本当に信頼できるかどうか、自分でも考えて判断することが大事といえます。
メタプラネットの「555ミリオン計画」は、確かに夢があります。でも、投資とは「夢を見ながらもリスクを見ること」が大切です。
以下の3つの質問を、自分自身にしてみましょう:
もしこれに「YES」と答えられるなら、投資する価値はあるかもしれません。逆に「ちょっと不安だな」と思ったら、他の選択肢も検討してみてください。
情報があふれる時代だからこそ、自分で調べて、納得してから行動すること。それが一番の「資産防衛」です。
ここまで読んで「メタプラネット、すごいな!」と思った方もいるかもしれません。でも、正直に言うと、本当にビットコインに投資したいなら、自分でビットコインを買った方が堅実なんじゃないかって思うんです。
確かに、メタプラネットの株価は過去1年でビットコイン以上の上昇率を記録しています。それはすごいことです。でも、あくまでそれは“期待値”が織り込まれた結果。ビットコインの保有量や戦略に期待した人たちが先回りして買った、という側面が強いです。
もし今後、ビットコインに関するネガティブなニュースが出たらどうでしょう?
たとえば「米国でビットコインETFが規制された」とか、「トランプ大統領失脚で大口保有者が一斉に売却」なんてニュースが出たら、ビットコインの価格が下がるのは当然として、メタプラネットの株価はその“数倍”のスピードで暴落する可能性だってあるんです。
しかも、いくら上場企業で情報開示の義務があるとはいえ、「本当に今この瞬間、ビットコインをどのくらい持ってるか?」はわかりません。ウォレットアドレスが非公開である以上、リアルタイムでの検証はできない。それって、思った以上に大きな不安材料です。
だったら、素直に暗号資産取引所でビットコインを買って、自分で管理した方が安心だし、「ちゃんと持ってる」という確信も持てますよね。
もちろん、メタプラネットの将来性に賭けるという選択肢もアリです。でも、「自分の資産を守る」という意味では、堅実にいくならビットコインはビットコインとして直接投資するのが王道だなって、私は思います。
最終的に判断するのは、もちろん”あなた”です。
どの戦略が一番納得できるか?とことん考えて後悔のない選択をしましょう!
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